映画。

昨日はレイトやのに1800円な「メゾン・ド・ヒミコ」を観てきました。(レイトなら前売りより安いと思って前売り買わんかったのにぃぃ・貧)
田中泯さん演じる卑弥呼に惹かれて観に行ったのですが、素晴らしかった!見目も素晴らしかったんですが、女性的な所作とかも素晴らしく。特にブランチで煙草を吸う手・指先。
何やろうな、とても魅力的な女性でした。若く綺麗な男が惚れるのも無理がない。女性としても素晴らしかったんですが、人としても素晴らしく、また病人としての演技も素晴らしいなぁ、と。言葉少なながらも、しっとりとした演技が素晴らしかったです。
若い盛りの春彦よりも末期ガンの卑弥呼の方が、素晴らしい身体をしてらしたのは、さすが舞踏家(笑)
卑弥呼に惹かれて観に行ったのですが、ゲイの老人ホームという舞台設定にも興味がありまして。ゲイの老人ホームというのはあってもエェと思うし、海外になら既にあるんではなかろうか?
もとよりゲイとして生きて方ももちろん、最後くらい本当の自分で過ごせる、周りもそれが普通として受け入れてもらえる環境ってのは、素敵やないですか。メゾン・ド・ヒミコの人々も幸せそうで、あぁ、やっぱりこういうのは必要やんね、と思ってたんですが、住人の一人・ルビーが倒れた時に別の住人が「みんなで最後を楽しく過ごせると思ってたけど、一人ずつ欠けて行くのを見ながら自分の番を待つだけなのかもしれない」という言葉があって、印象でした。
たぶん、誰か住人から別れがでるやろうなぁとは思ってましたが(それも、たぶんルビーやろうなぁと)、でも全身麻痺の後遺症のまま家族に引き取られていくってのは、お綺麗に別れですますよりリアルで衝撃でした。
メゾン・ド・ヒミコの中や、その周辺はエェ感じやのに、でも、そこから離れると、どうでもエェ話が多く感じた…。なんか、ごちゃごちゃし過ぎて、アタシには何が描きたかったのかはっきりしませんで、Nさんに教えを乞う始末…。
メゾン・ド・ヒミコの中だけで十分大きなテーマがあると思うんやけどなぁ。アタシはそっちを期待したのに、結局は春彦とサオリの話かい…と。
サオリはゲイが嫌いな訳やなく、ただ自分と母親を捨てた父親が嫌いなだけで?やないと、ゲイの春彦と惹かれあうのが分かりません。
そんでもって、この春彦が一番わからん。バイでなくゲイと言ってるのにサオリに惹かれるのが分からん。卑弥呼のことを愛してるのかも疑問。卑弥呼が落ち着ける場のためには何でもする姿勢と、卑弥呼が吐血した時は、失うのを恐れるくらい愛してるんやなぁと思ったけど、サオリに惹かれてるしね?サオリに惹かれたのはお互い孤独やから?何かね、卑弥呼を愛してるってより、孤独から助けてくれた卑弥呼を慕ってるだけな感じがする。やから、卑弥呼を失って、また孤独になるのを恐れてる。で、孤独なサオリと埋めあおうとしただけ?卑弥呼は、そんな春彦を分かってそうやなぁ。恋人っていう情熱的な感情より「しょうのない子」って思ってそう。春彦はゲイと言ってますが、卑弥呼のことは男性として愛してるんでしょうか?でも、卑弥呼は女性として生きてますよね?卑弥呼のことは女性として愛してるんでしょうか?それならゲイとはまたちょっと違うしなぁ。ゲイと言っても単に同性であればっていう、簡単なものではないんやけどなぁ。
んーーーーー。最近、設定や役者や、部分、部分では観たいと思う映画はあるんやけど、トータルで観ると、んーーーー???な映画多くて足が遠のきがち…。
予告で観た「せかいのおわり」も長塚くんは気になるんですが、ヒロインの役柄がムカつくので、たぶん観に行っても嫌な感想しか残らなさそう…(苦笑)アタシは完璧、長塚くん演じる三沢に感情移入します。長塚くんが演じてるからってのを抜きにしても、こういう報われない脇役に感情移入してしまいます。
長塚くんは観たいけどなぁ。長塚くん好きです。あまり表情がない印象ですが、声とか間とか演技好きです。何か年々、益々、お父様に似てきましたね〜。脚本・演出もこなす阿佐ヶ谷スパイダースも好き。阿佐スパの舞台は、笑って観てるんだけど、よくよく考えると笑ってることが凄い怖い話で衝撃です。
あぁ…長塚くんは観たいけどなぁ。博愛主義って設定も面白いのになぁ。