苦悩のはなし。

ガリレオの苦悩」読みましたー。
これは、また短編集なのな。「探偵ガリレオ」で、怪現象を物理で解明の流れが上手いな、と思ったんですが。「予知夢」で、ちょっと流れが変わって来たかなー、と思って、読むのどうしよかと思ったんですが、うー、今回は面白かったかな。
容疑者Xの後って設定やから、草薙と湯川が少し距離置いてる感じで、代わりに薫が出てくるってのが、自然に新キャラを上手く出してきたなー、と。ドラマでは、なんでいきなり草薙やなくて、薫が?と思ったけど、この筋を持って来てたのか。
草薙と湯川の距離感が容疑者Xが原因かと思うと少し淋しいですけど、最後の友達会話があって良かったなvv草薙の普通の人っぽさは、表現上手いなー、と思う。
「落下る」で、マンション内には既婚者と18歳未満の男性しかいないから、被害者の恋人はマンション内にいない、と薫が断定するのが、ちょっと引っかかる。既婚者が結婚を迫られて殺害っての、結構セオリーやない?実際、薫が一番に疑う容疑者が既婚者で、その筋に沿ってるし!(笑)
これが、そういった「女性」意識で独断した捜査はアカンよ、ていう指標なら納得なんですが、この矛盾には触れずやしなー?この落とし前はどこに?
薫の「女性」っていう意識に意固地な感じに、うーん…、となるけど。作者が自然とそういう考えなら、うーん、ですが、そういうキャラ設定なら上手いなー、と。ま、湯川が「女性」意識を突っ込んでるんで、設定なのか?
「指標る」は事件と関係ないっちゃ、ないんやない?(笑)ダウジングも物理的な解明やなくて、心理的解明やしなー。犬の死骸が見つからなくても、仏壇の事を知ってる人間を探せば警察で犯人捕まえれたと思うよ。これは小休止的な話なんかな?
容疑者Xで石神の思惑を解いたことを後悔してたのに、「操縦る」では恩師はエェんかい!と(笑)しかも容疑者Xは、最終石神の思惑を壊したのは、靖子やけど、今回、湯川自ら壊してるし。うーん、先生の前でも少し言うてたけど、湯川の心境に人を思いやる変化があったってことかな。
人物描写が少ないのは不手際やなくて、事件に関係ないから敢えて書いてないと思うんですけど。こう、少し見えるような書き方されるなら、湯川に主体を置いて、踏み込んだ心情物にしたら良いのに…。でも、そしたらアタシは読まなくなるやろうけど(笑)
東野圭吾は、文体や人物描写がすっきりしてて読みやすいから好きなんですよねー。本屋でフェアやってたけど、多作な作家ですね!しかも映像化されてるのが多いな。