新世界。

大阪、通天閣界隈でなく(笑)柳広司さんの「新世界 (角川文庫)」を、年末の東京に持って行ってて。合間に読むつもりが、空港で夢中で読んじった。
面白かったー!柳さん、上手いなぁ。戦時モノばかり手にしたけど、他のも読んでみたいなー。
ミステリーのような、オカルトのようなに見せて、実は戦争モノというか、原爆小説やったと思う。それと戦争の狂気。
当時の殺人事件や、現在のスパイ疑惑や、オッペンハイマーがラビの目を通して書いた小説(ノンフィクション)を柳さんが訳した、っていう、複線(伏線やなく複線)がありつつも、最後に残る印象は、原爆の悲惨さと戦争の狂気で。ミステリー小説として読むなら、その複線は何!?てなるんでしょうけど、アタシにはこれはミステリーとして書かれたものやない、と思えたんで納得でした。
そう思って、思い返すと、複線のありようが、使い方が面白くて、上手いなーと思うのですよ。