本。

最終目的地 (新潮クレスト・ブックス)」読んだー!
良かったー。すごく映画的というか、映画になった画が思い浮かびやすい話。
大きな起伏があるわけでなく、小さな動きから少しずつみんな動き出して、みんなそれぞれの最終目的地に落ち着くのが良いな。
そう、辿り着くんやなくて、みんなそれぞれ落ち着くのが良い感じ。
感情の描写より、風景というか地文の描写がすごく心地よい文章やなー、と。またウルグアイの片田舎の風景が綺麗。これは映画でもポイントぽいな。
原作では28歳てことになってるピートを、いくら日本人は若く観えるといえど当時48歳(?)の真田が演じるとなると、アダムとの関係の印象が変わる気がするかな?
原作では少し女性的な神経質な部分と、若さゆえに他の世界への希望というか…、ここはちょっと印象的で好きなシーンなんで、後で詳しく。
そんな年齢というか若さに即したものがあるんですが、真田だと控えめに、年齢的にも全てを受け入れてアダムとの生活を営めそうで(笑)
傲慢に見えるアダムは、本当はピートのことを大事に思ってて手放そうとするんですが、ピートは「自分は幸せだと思って」て。
ピートはピートで、自分は幸せなのにアダムはそう思ってないことに苛立つくらい、アダムとのこと大事に思ってて。
どれも本心なのに、でも、ピート本人も気づいてない心の奥で、実は外の世界に希望を持ってたことに気づいた時のピートの涙が切ない。
主人公のオマーとアーデンの恋も良いんですが、このピートのアダムを裏切ってるような心に傷ついて泣く様と、それに気付いてて、あまつさえ受け入れてなお愛してるがゆえに手放そうとするアダムとの方が印象的。
ここがまた若さと年齢を重ねた者との差が感じられて良いのですよ。
で、離れた互いのとの距離も、NYとか遠くの世界でもなく、近いんだけど別の世界。今でもピートはアダムの世話に訪れたりするけど、でも外の世界なのですよ。
と、これを真田がどう演じるのか、新しいピートとアダムの関係になるのか、楽しみだなー。