マクベス。

蔵之介さんの「マクベス」に行ってきましたよー。蔵之介さんって、昔「マクベス」やってたよな?と思ってビデオ探し出したら、自転車キンクリートの作品でした。懐かしい。
マクベスを一人で演じる、精神病患者、アラン・カミングが初演、てくらいの前知識でしかなくて。マクベスを通じて、何か(主人公の物語)を観るものかと思ってたんですが、思ってた以上に「一人芝居マクベス」やったな、と。
ただ、そうなると、初見の人にはちょっとツライんでないかな?と。元がスコットランドで初演の作品だけに、マクベスを知ってる前提なんか?実際、初見の某さんはこんがらがったみたいで。
いっそ精神病患者の設定抜きに、一人芝居ってのなら。それか、元からマクベスの登場人物を投影してしまう、多重人格的な精神病患者ってのとか、段々マクベスの世界に狂っていくとか。「マクベス」を観せるのか、マクベスを通して患者を観せるのか、振り切っても?とも思ったんですが。その辺のバランスが、敢えての作品、演出なんかな?
なにぶん、入所時の様子や傷や、持ち物や、ところどころ患者自身に戻る怯えた姿とか(監視カメラのギミックも良かった!)、チラ見える患者のバックボーンも気になって。患者自身に戻るその時の音楽も凄い良くて、なお患者の何かに繋がるんかな?と思ったんですが、ラストにもその辺は描かれず、でしたね。
もう一度観れるなら、今度は患者に視点を置いて観たいな。あそこまでがっつり端折ってはいるけど)やと、やっぱり「マクベス」に気がいっちゃうので。(そう思うと「マクベス」初見の人の方が患者を観れるのかな?)舞台もね、複数回観れると、視点変えて観れるから良いんですけどね…(貧)
完全に狂いきってないだけに、患者のマクベスは終幕しても、患者自身はまだ続くことを思うと、面白い余韻やな、と。
久々の良席やったんですが、蔵之介さんの全裸を間近で堪能できましたよ!(笑)ショーシャンクから脱ぎ芝居が続いてるからか、鍛えた体になってましたねー!眼福。
シェークスピアマクベスを楽しむなら、何か(あらすじやなく、セリフを通せるものを)一見してからの方が楽しみやすいけど、役者の力量を楽しむなら存分に素晴らしい舞台でした!
TVに、映画にそれぞれ役者はいてるけど、やっぱり蔵之介さんは舞台役者やなー、と改めて思った。